旗竿地(はたざおち)でもあきらめないで!土地活用法5選を解説
2024.05.02
所有している土地の広さや形状など、条件が不利な不動産の活用をあきらめていませんか。
道路から土地や建物に至るまでの道路が狭い旗竿地は、一般的に活用が難しいとされていますが、まったく活用できないわけではありません。
本記事では、旗竿地に関する基礎知識と土地活用方法5選を解説します。
旗竿地とは
旗竿地とは、道路から建物や土地へ通じる通路が狭く、上から見たときに旗と竿のように見える形状をした土地のことです。
法令では路地状敷地と呼ばれることもあります。
旗竿地は、もともとあった土地を相続などが原因で分割し(分筆)、道路に出入りするために通路を設けることで形成されることが多いです。
建築基準法には、建物を建築するために一定の条件で道路に接しなければならないという接道義務があります。
接道義務の規定では、原則として道幅(幅員)が4m以上の道路に、間口が2m以上接していなければ建物が建てられません。
ただし、建築基準法で規制される以前に、建築された建物は除外されます。
接道義務は売買が行われることの多い都市計画区域や準都市計画区域内に適用されるため、旗竿地のような形状の土地が見られるのです。
旗竿地のメリットとデメリット
活用法の解説の前に、旗竿地のメリットとデメリットを整理しておきます。
旗竿地のメリット
旗竿地の主なメリットは次のとおりです。
- ・低価格で取得できる
- ・プライバシーが確保できる
- ・騒音が気にならない
旗竿地は主要な道路に接しておらず離れているため、土地の評価が低く抑えられている場合があります。
土地の上に同じ建物を建てても評価が低ければ、比較的低価格で購入できるのがメリットです。
また、入り込んだ土地であるため、道路を通行する車や歩行者の目につきにくく、プライバシーも確保できます。
さらに、道路から離れており近くを大型車両や歩行者が通行することもないため、騒音が気になりにくいです。
旗竿地のデメリット
旗竿地のデメリットも押さえておく必要があります。
- ・再建築できない場合がある
- ・工事車両の乗り入れができない場合がある
- ・売却が難しい
建築物は建築時の建築基準法によって規制されるため、建築後は新しい規制に対応していない場合があります。
例えば、建築当時は規制が緩やかでも、建て替える際には接道義務などが適用されるため、同じ土地に建物を建てられないことも考えられます。
建替えの際には、役所などで建築基準法の内容に合致するか、十分な確認が必要です。
また、道路への通路が狭い場合は、建築工事の際に大型の工事車両が通行できない場合があります。
建築資材を車両で運べないときは、人力など他の手段で運ぶ必要があるため、建築経費が割高になるのがデメリットです。
さらに、旗竿地の物件は、土地の形状が変形しており道路へのアクセスも悪いことがあるため、売却が難しい場合があります。
取得価格が低いことの裏返しとなりますが、通常の立地物件よりも売却に苦労する可能性があることは覚えておきましょう。
旗竿地の活用例5選
旗竿地のメリットとデメリットを踏まえた活用例を紹介します。
1.長屋アパート
長屋とは、各棟で独立した住戸が集まった住宅のことです。階段など共用部分がない点が、通常のアパートと異なります。
建築面積を抑えられるのがメリットですが、東京都など条例で独自の規制を設けている場合があります。
長屋アパートの計画段階で、条件などを建築士に確認しながら進めていくことが必要です。
2.戸建賃貸
旗竿地の形状や狭い面積の場合でも、一般的な戸建住宅が建築できることがあります。
アパート経営に比べて収益性は低いですが、子どものいる世帯をターゲットにするなど不動産事業者などのアドバイスを受けながら戦略を立てれば、地形を生かした経営が可能です。
3.トランクルーム
トランクルームは荷物を預けるだけで住居として活用しないため、条件の悪い土地でも設置できる可能性があります。
土地の広さや形状に制約があっても、コンテナの配置を工夫することで設置可能です。
賃貸用の住居として活用が難しい場合は検討してみましょう。
4.駐車場
車が駐車できて必要な通行ができる形状であれば、駐車場として整備することも可能です。
建物を必要としない青空駐車やコインパーキングであれば、初期費用も抑えられます。
また、自ら駐車場経営するのではなく、土地のみを事業者に貸すのであれば所有者の手間もかかりません。
5.福祉施設
旗竿地は入り組んだ土地にあるため、高齢者や障害者の福祉施設として活用できる場合があります。
主要な道路や繁華街から離れて立地していることが多いことから、道路の飛び出しなど入所者の安全面に配慮できます。
入所者のプライバシーも確保しやすいことから、小規模な福祉施設の建築を検討するのもよいでしょう。
まとめ
旗竿地は、分筆や接道義務などの制約から条件が不利な土地と判断されることが多いですが、工夫次第で活用が可能です。
土地の広さや形状から、高い収益を挙げることは難しい場合もありますが、更地で放置するよりも活用する方法も検討しましょう。
本記事が、旗竿地のメリットとデメリットを理解した上で、活用する材料となれば幸いです。
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