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コロナ禍で不動産市場はどのように変化、影響を受けたか

2023.08.25

世界中に猛威を振るった新型コロナウイルス感染症ですが、いまだ完全な終息には至っておりません。
 
しかしながら、さまざまな医療ワクチンが次々と生み出され、ついに今年2023年(令和5年)5月8日から、新型コロナウイルス感染症の感染症法上での位置づけが「5類感染症」へと変更となりました。
 
以降、基本的には季節性のインフルエンザなどの感染症と同様の医療提供体制となるため、法律に基づく外出自粛等は求められず、あくまで個人や事業者の判断、自主的な行動、取り組みが基本となります。
 
もちろん不動産業界、不動産市場においても大きな打撃を受けました。
 
その影響はさまざまな箇所に表れ、いわゆる「街の不動産屋さん」から、大手不動産企業まで及びます。
 
今回のコラムでは、そういったコロナ禍での不動産市場の変化、影響についてお伝えしたいと思います。

 
 

コロナによる勤労者の就業スタイルの変化

我々不動産企業を含め、日本の労働者のほどんどは民間企業に勤めてます。
 
特にオフィスワーカーを中心に、その企業で働く勤労者のワークスタイルに変化が起きました。
 

主な変化として、

  • ・テレワーク(リモートワーク)の導入
  • ・大人数での決起会・会食・宴会などの自粛
  • ・打ち合わせやミーティングなどのオンライン化

があたります。
 

特に、テレワークを実施する企業は増大し、民間企業におけるテレワーク導入は新型コロナ感染症の拡大に伴い、急速に導入が進みました。
 
業種や業務内容により、今現在もなおテレワークを実施する企業も存在し、週1~3回ほどをテレワーク勤務とする企業や、フルリモート(週5日すべてをテレワーク勤務)を実施する企業など幅広く存在します。
 

東京商工リサーチが実施した調査では、1回目の緊急事態宣言時には17.6%から56.4%へと上昇し、その後の緊急事態宣言解除後には低下するものの、2回目の緊急事態宣言時には38.4%に再上昇するといった結果が出ました。




(引用元:総務省 「令和3年度 情報通信白書」 第1部 特集 デジタルで支える暮らしと経済

 
また、パーソル総合研究所が正社員約2万人を対象にした調査では、2020年3月のテレワーク実施率は13.2%であったが、緊急事態宣言発令後の2020年4月には27.9%まで上昇しました。
 
その後も2020年5月調査では25.7%、2020年11月調査では24.7%と多少実施率は低下しているものの、2020年3月より大幅に増加しており、テレワークは一定程度定着傾向にあることが伺えると思います。
 



(引用元:総務省 「令和3年度 情報通信白書」 第1部 特集 デジタルで支える暮らしと経済

 
 

戸建住宅の市況活性化

2020年の住宅市場は、新型コロナウイルスによって翻弄された1年と言っても過言ではありません。
 

2020年4月に1回目の緊急事態宣言が発令されて以降、新築・中古市場ともに急激に収縮しました。
 
緊急事態宣言の解除と同時に徐々に回復したものの、2019年を上回る規模には回復することはありませんでした。
 

特に大きな動きがあったのは首都圏の中古マンションで、売り物件が減少したことから需給がタイトになり、新築マンションの市場規模が一向に回復しないことも重なり、流通価格が短期間で5%程度上昇するという状況となりました。
 

唯一、戸建市場は堅調に推移しており、首都圏では2.4%増の1.3万戸超、近畿圏では0.9%と微増ながら同じく約1.3万戸の成約があり、マンション分譲および流通が縮小する中にあって戸建の流通が市場を底支えする結果となりました。
 


(引用元:国土交通省 土地・不動産・建設業 不動産価格指数


 

これらは首都圏中心部からに人口の流出、およびテレワークやオンライン授業など在宅での業務・受講が増えたことによる住宅ニーズの変化が影響しているものと考えられます。
 

以下はリクルート社が調査を行った、テレワークにおける不満や実施する場所、(主に自宅などの)実施場所の環境整備意向、住宅の住替え希望有無のアンケート結果になります。
 

【テレワークに際する不満】


【テレワークの実施場所】


【今後の自宅環境整備意向】


【今後の住み替えたい住宅の希望有無】


(引用元:公益財団法人 全日本不動産協会 月刊不動産 コロナで変わるこれからの住宅ニーズ


 
 

不動産流通物件の減少による中古マンションの高値止まり

マンションの不動産市場も、2020年の住宅市場は予期せぬ新型コロナウイルスの猛威に振り回されるものとなりました。
 

首都圏のマンション市場に注目すると、価格高騰の影響によりここ数年は徐々に厳しさが増しており、2020年の市況は年明けから低調な状態に陥りました。
そのような状況の中で、4月に最初の緊急事態宣言が発令されたことで多くのマンションのモデルルームが営業を取りやめ、状況は一段と厳しいものとなりました。
 

しかし、マンション市況はこれを機に急回復することになり、下半期の急回復を支えたのは郊外の物件でした。
 

2020年に供給が前年比で増加したのは、主に東京都23区外の市部と千葉県の2エリアで、在宅ワークがある程度普及したことによって通勤の頻度が減った方、時差通勤が可能になった方などが都心に近い立地であること以上に広さや部屋数、周辺環境などを重視するようになったことで、価格の高騰から苦境に立たされていた郊外の物件が脚光を浴びることとなりました。
 

都市部郊外とはいえ現在販売されている物件の多くは駅近で利便性の高いものとなっており、郊外へと希望エリアを広げて検討するハードルを下げやすくなっていることも人気回復を後押した結果となりました。
 

その一方で地下鉄駅直結のタワーマンションが短期間で完売になるなど、都心部の物件の人気は引き続き高い傾向にあります。
 

1億円以上の高額住戸も以前として積極的に販売されていることから、23区から郊外に人気が移ったのではなく、都心、郊外を問わず幅広いユーザーが購入に動いていることが伺えます。
 

共通していることとしては、共用部にテレワークスペースを設置した物件のニーズが高まっていることで、一気にニューノーマルのスタンダードになりつつあります。
 

コロナ禍においてのマンション販売への影響は限定的であり、コロナ禍で新たに生まれた住宅ニーズが急に収縮することは考えにくく、2021年のマンション市場は昨年下半期の好調を維持すると思われます。
(『LIFULL HOMES PRESS時事解説』より一部抜粋)
 
 

土地価格・部材の高騰による新築戸建の影響

現在「ウッドショック」と呼ばれる、木材価格の高騰が起きております。
 
建築用木材の供給が需要に追い付かないことに起因しており、1970年代に発生した『オイルショック』になぞらえてこのように呼ばれています。
 

木材の輸入量が不足することも見込まれており、木材関連の価格の高騰によって現状の想定価格では住宅建設できなくなる可能性が出てきています。
 

以下は経済産業省が2021年7月に発表した統計になります。
今後の木材価格の動向に注意が必要です。 





(引用元:経済産業省 新型コロナがもたらす供給制約 ; ウッドショックの影響

 
 

売却手法、購入手法のまとめ

今回はコロナ禍によって起きた不動産市場の変化や影響をテーマとしました。
 

残念ながら新型コロナウイルスはまだ完全な終息に至っておらず、約3年前の発見からいまだに新規感染者が毎日のように発生する日々を私たちは過ごしてます。
 

そのような中、意外にも不動産全体の市場は安定し、都市部はもちろんのこと、郊外や隣接県での不動産マンションの購入、マンションの賃貸契約が増えていることも事実です。

郊外や隣接県に不動産物件をお持ちのオーナーさまも安心出来るのではないのでしょうか。
 
 
私たちロイヤルエンタープライズは、そういった不動産オーナーさまのお悩みや不安を解消、解決ができるよう努めており、面倒な不動産手続きや市場調査などを含め、オーナーさまに向けたコンサルティングや運用サポートを行っております。
 
その他リフォームやリノベーションをご相談をはじめ、これから不動産経営をお考えの方へのサポートや客付け相談など、幅広く対応を行っております。
 
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